「西巷説百物語」 京極 夏彦2010年08月16日 02時20分

最近、たくさん本を出している京極先生の新刊です。

巷説百物語の系列ですが、こちらは又市ではなく靄船(もやぶね)の林蔵が主人公で舞台は大阪です。

『怪』に掲載された6編に書き下ろしを加えて、計7つの物語が展開されます。最初の2編は、正直、ちょっとどうかなって感じでした。まあ、この辺までは、自己紹介みたいなもんだな、と。
でも、3編目からは一気に京極ワールドに突入です。
一文字屋仁蔵に持ち込まれた依頼を、林蔵をはじめ、祭文語りの文作、お龍、六道屋の柳次など、一癖もふた癖もある登場人物たちが解決していきます。ただ、どれも生半可な解決ではなく、表面に出ていた問題の、奥の奥にある本当の問題にまで手が届いてしまうのです・・・。

今までの、又市が主人公のシリーズより、人間性の恐ろしさが、ひしひしと迫る内容になっている気がします。従前のシリーズは、どちらかというと仕掛け重視だったのに比べ、人間の性(さが)というか身勝手さ、我が身可愛さが表に出てくる恐ろしさがあります。
京極先生のファンであれば当然、京極先生の本は読んだことがないという方(!)にもお勧めのできる1冊です。

(角川書店 2010年7月30日発行 1900円+税)
※他の方々のブログです
http://blogs.yahoo.co.jp/belarbre_820/50731720.html
http://time-de-time.air-nifty.com/blog/2010/08/post-3f6e.html

コメント

_ べる ― 2010年08月19日 20時24分

こんばんは。TBありがとうございました。
又市さんたちの出番が少なかったのは残念でしたが、
京極さんらしい勧善懲悪の世界、堪能しました。
これでお仕舞いとは本当に残念ですね。またどこかで
又市さんたちに出会えることを願っています。

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_ たいむのひとりごと - 2010年08月19日 17時34分

『巷説百物語』、『続巷説百物語』、『後巷説百物語』、『前巷説百物語』ときて、どこか切ない余韻を残したままとなっていた「巷説」シリーズに、”西の物語”追加されると知って狂喜乱舞したのはいつのことだっただ

_ ミステリ読書録 - 2010年08月19日 20時20分

京極夏彦さんの「西巷説百物語」。

人が生きて行くには痛みが伴う。そして、人の数だけ痛みがあり、傷むところも、傷み方も
それぞれちがう……様々に生きづらさを背負う人間たちの業を、林蔵があざやかな仕掛けで
解き放つ。シリーズ第五弾(あらすじ抜粋)。


'''「これで終いの金毘羅さんやで」'''


大好きな巷説シリーズ、最新刊です。発売記念イベントがあるというので、行って来ました。
このイベントがまぁ、めちゃくちゃ...

_ Akira's VOICE - 2010年08月21日 16時57分

京極夏彦 著 
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