「量子回廊」 大森 望・日下 三蔵 編2010年08月29日 19時13分

年刊日本SF傑作選2009年版である。

私は保守的な人間である。殊に読書に関しては。
好きな作家のモノは、読む。冒険はしない。残りの人生を考えると、つまらん本を読んでるヒマはない。

そんな私でもSFのアンソロジーは嬉しい。
古くからのSFファンなら、ジュディス・メリルの「年刊SF傑作選」のお世話にならなかった人はいないだろう。SFアンソロジーは、まさしくセンス・オブ・ワンダー。未知への扉、星くずのおもちゃ箱。
日本のSFアンソロジーは最近途絶えていたので、本シリーズの刊行は誠に慶賀の至り。嬉しい嬉しい。本巻が三集目だが、末永く続くことを祈ります。

ちなみに、僕のお気に入りは以下の2編。
無人探査機の高度機能中枢の日々の妄想?を綴った「バナナ剥きには最適の日々」(円城 塔)。

タンスの取っ手の座金が成長した少女?と肩を壊した野球少年の物語「日下兄妹」(市川春子)。これ、マンガです。

みな短篇なので、肌が合わない作品があっても我慢できます。
巻末に「第1回創元SF短編賞選考経過および選評」と「2009年の日本SF界概況」が掲載されています。本屋で新刊を漁る程度なので、SF界の全体像が見えない私には貴重な情報です。ホントに嬉しい。
唯一の欠点は、文庫版にしてこの価格ですかね。

(東京創元社 2010年7月30日発行 1300円+税)
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