「ジーン・ワルツ」 海堂 尊2010年07月11日 22時28分

「チーム・バチスタの栄光」で、「デビュー作にしてこの完成度!天才!」と日本中の度肝を抜いた海堂尊であるが、読者というモノはワガママなもので、同じレベルでは満足せず「マンネリ」などと勝手なことをほざいていたワケです。
そこで、この「ジーン・ワルツ」
やられました。参りました。

帝華大学産婦人科学教室の曾根崎理恵はを主人公に、この国の産婦人科の状況を告発するっていうことがこの作品の下敷きになっています。著者の作品は、いつも現実世界へのメッセージが強烈に込められています。
しかしこの作品の魅力は、登場人物それぞれの造形による所が大きい。「冷徹な魔女(クール・ウィッチ)」曾根崎理恵、末期癌の三枝茉莉亜院長、5人の妊婦たち。それぞれの生き方、それぞれの決断が胸を打つ。
私は喫茶店で読んでいたのですが、涙をこらえるのに苦労しました。

話は変わるけど、どうして海堂先生はロジカル・モンスター(クール・ウィッチもそうだよね)や頑固者を描写すると生き生きするのかね。きっと先生御自身がロジカル・モンスターで頑固者なんじゃないかと想像しちゃいますが・・・。

(新潮文庫 2010年7月1日発行 476円+税)

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_ 【徒然なるままに・・・】 - 2010年08月15日 16時36分

産婦人科医が術中死により逮捕され、産婦人科医療に大きな衝撃を与えるという事件が発生して半年後。
「冷徹な魔女(クール・ウィッチ)」と呼ばれる美貌の産婦人科医・曾根崎理恵は、帝華大学の助教として発生学の講師を務める傍ら、産婦人科病院「マリアクリニック」で非常勤の医師としても勤務していた。
かつて帝華大学は「マリアクリニック」をバックアップしていたが、一連の事件の後に手を引き、今は理恵がサポートするのみ。院長の三枝茉莉亜は癌の為に余命幾ばくもなく、また逮捕された医師は彼女の息子だったことから、既に「クリニック」の閉院が決まっていた。
その「クリニック」最後の妊婦は5人。内2人は人工授精...
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