「絶滅危惧駅舎」 杉﨑 行恭2010年06月30日 02時08分

私は鉄ちゃんではない。
由緒正しい飛行少年なので、ガタゴトと地面を走る乗り物には興味がない。
ただ、寄る年波からか、最近、古いモノに興味が湧いてきて文化遺産的な建物など見つけると嬉しくなってしまうのである。
そういう観点からは駅舎という存在は興味深い。東京駅、とまではいかないが結構古い建物が現役で活躍している。
で、本書である。
文庫版の写真集である。目次を並べると
 ・明治の駅舎
 ・モダニズムの駅舎
 ・神社仏閣駅舎
 ・王道の洋館駅舎
 ・石とコンクリートの駅舎
 ・山小屋形駅舎
 ・ビルのような木造駅舎
 ・嗚呼、国鉄建築の駅舎
 ・しみじみニッポンの駅舎
 ・廃線跡になお残る駅舎
やっぱり、明治・大正・昭和初期の建物は良い。戦後すぐのも良い。頑張ってモダンしているのである。
しかし、これらの駅舎も、一部を除いて取り壊されそうな運命である。実用性を考えると仕方ないかも知れないが、古いモノが無くなるのはやっぱり寂しい。
やっぱり年だなあ。
      (二見文庫 2010年6月30日発行 762円+税)

コメント

_ Nonko ― 2012年06月16日 03時47分

東京駅の各ホームにエレベーターができて、もう10年以上たつのでしょうか。

それ以前に車いすを使用している友人と新幹線等を利用する時には、一般人では行くことのできない東京駅の地下を通って(業務用エレベーターを利用し)、ホームを移動しました。

この地下には、明治の頃の赤レンガの壁やトンネルのような通路がそのまま残っていました。
かなりのレトロでいながら、当時の時代を想像するとモダンだったであろう西洋建築物…。
平成のご時世、一般人観ることができない地下の赤レンガたちを観れて、ちょっとした自尊心がくすぐられました。

一般人が通行できない地下を使うため、必ず駅員が同行しなければホームを移動することができません。

そのため、以下のような経験もありました。

同行する駅員がなかなか来なくて、指定の新幹線に間に合わせるために、全力疾走で車いすを押して地下道をかけぬけ、今、まさに扉が閉まる新幹線に飛び乗ったり。

また、新幹線ホームから別のホームへ移動していた時に、友人が「トイレに寄ってください」と同行駅員に声をかけると、「乗る予定の電車や降りる駅に連絡してあるので、ダメです」と、駅員に真顔で言われたこともありました。
ダメですって、アナタ…。

エレベーターの設置は同行駅員から解放されることになり、車いすを使用する友人とは、楽に交通機関が利用できるようになりましたが、あの地下の赤レンガやトンネルのような通路を、もう観ることができないのは、残念でもあります。

もしかして、東京駅の地下の赤レンガたちは、もう絶滅してしまったのでしょうか…。

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