あけましておめでとうございます2012年01月01日 00時00分

本年もよろしくお願いします。
昨年後半は見事に更新をサボっており、何人かの方からお叱りをうけました。この場を借りまして、お詫び申し上げます。
だって書くより読む方が楽しいんだもん(^_^;)

昨年は、「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり 3」から「宇宙のダークエネルギー『未知なる力』の謎を解く」まで156冊を読了しました。

昨年1年間のベストですが、「地図と愉しむ東京歴史散歩」(中公新書)です。
紹介していない本なので、申し訳ありません。昔の地図と今の地図を比較する本はたくさんあるのですが、本書はひと味違う、お薦めです。そのうち御紹介します。

昨年は、科学モノに収穫が多い年でした。
「『余剰次元』と逆二乗則の破れ」(講談社ブルーバックス)
「巨大翼竜は飛べたのか スケールと行動の動物学」(平凡社新書)
「ハチはなぜ大量死したのか」(文春文庫)
「宇宙のダークエネルギー 『未知なる力』の謎を解く」(光文社新書)
どれもみな、思っても見なかった驚きを与えてくれます。特に「ハチ~」は目からウロコ、はじめて環境問題が少し分かった気がします。

小説では、
「天地明察」冲方 丁(角川書店)
ライトノベル出身のSF作家である著者が、がらりと作風を変えて時代モノに挑戦。

「あなたのための物語」長谷 敏司(ハヤカワ文庫)
題名から想像するのと全く違う、全編、死の匂いの漂う暗~い話。
伊藤 計劃の作品が無ければ、この小説もなかったろうなぁ、と改めて伊藤 計劃の影響の大きさを感じます。

今年は(できるだけ)頑張って更新しますのでよろしくお願いします。

「地図と愉しむ東京歴史散歩」(中公新書)アマゾンへのリンク
「『余剰次元』と逆二乗則の破れ」(講談社ブルーバックス)アマゾンへのリンク
「巨大翼竜は飛べたのか スケールと行動の動物学」(平凡社新書)アマゾンへのリンク
「ハチはなぜ大量死したのか」(文春文庫)アマゾンへのリンク
「宇宙のダークエネルギー 『未知なる力』の謎を解く」(光文社新書)アマゾンへのリンク
「天地明察」(角川書店)アマゾンへのリンク
「あなたのための物語」(ハヤカワ文庫)アマゾンへのリンク

「地図と愉しむ東京歴史散歩」 竹内 正浩2012年01月04日 02時00分

はっきり言って類書は多い。
昔の地図と現在の地図の比較、古写真と同じ場所で撮った現在の写真との比較、など豊富に出版されている。
本書がそれらの本とどう違うのか。中々に微妙で明確に言い難い。無理して整理してみると、以下の点か。

・文章と地図、写真の割合が絶妙である。
・文章の中のウンチクが楽しい。
・昔の地図と現在の地図の大きさ、方向等がぴったり一致している。

実は最後の、地図がぴったり、というのが大きい。両方の地図を見比べながら、何が変わって何が変わっていないか、変わった所はなぜ変わったのかを確かめられる。現在の道路が昔の小さな道路だったり水路の後だったり、海岸線だったり・・・。

荒川は明治期に作られた人工河川、と言われてもピンと来ないが、全く同じ場所の地図を並べて、今の荒川の場所に田畑、住宅地、鉄道まであったのを見ると愕然としてしまう。

地図をじっくり見ていると色々と発見があり、普通の本の3倍は楽しめます。2011年のベストです。お薦め。

(2011年9月25日発行 中公新書 940円+税) アマゾンへのリンク

「完全なる首長竜の日」 乾 緑郎2012年01月30日 00時00分

第9回「このミステリーがすごい」大賞受賞作。
昏睡状態の患者とコミュニケートできる技術により、主人公が入院中の弟の意識の中に入り込む。そこでは、普通に生活し弟と会話を交わすことができる。

げっ!
名作じゃん。才能のある人っているもんだな。
元々劇作家だそうだから素人ではないにしろ、これはすごい。
筆力っていうんだろうか。だんだん足下が揺らいでくるような不安定感、それと場面場面で浮かび上がってくるイメージ。
あとね、些細なことかも知れないけど、専門用語の使い方が正しいのが嬉しい。

(宝島社文庫 2012年1月27日発行 562円+税)アマゾンへのリンク
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