「塩の街」 有川 浩2010年07月27日

ジャーン 「図書館戦争」の有川浩さんのデビュー作です!

突然宇宙からナゾの物体が降りそそぎ、人々が次々と「塩」になっていく。半ば廃墟と化した街の中で暮らす少女と男・・・。

「自衛隊三部作」の中の陸上自衛隊編です。

電撃小説大賞だったんですね。なるほど、ライト・ノベルですね。
前半の現実感の無さとか、主人公の造形が自衛官というよりアウトローっぽいところとか(ネタバレごめん!)、ラノベっぽさがちりばめられてますね。
でも、著者は本書の3分の1くらいから綿密な書き込みを始めて、この後の著作では、リアリティー溢れるホラ話しに突き進んでいきます。変わらず一貫しているのは純情恋愛路線だっていうこと。
ここまで徹底してれば、純愛原理主義者と呼んでもいいんじゃないか。

やたら性格は悪いが頭は良い入江という人物、海堂尊の「チーム・バチスタの栄光」に出てくるロジカル・モンスター白鳥調査官とキャラかぶってますね。入江さんの方が2年ほど早いんだけどね。

やたら楽しい時間を過ごせて、純愛にも酔える。有川センセ、さすがプロです。

それでさ、これ読んで、J・G・バラードの「結晶世界」と筒井康隆の「佇むひと」を思い出した人、いる?

(2010年1月25日発行 角川文庫 667円+税)
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