「永遠の0」 百田 尚樹2010年11月03日 22時14分

R40本屋さん大賞第1位だそうだ。「R40」ってなんだろう?

大学卒業後、司法試験への熱意を失いかけている主人公と姉の二人が特攻で戦死した祖父のことを尋ねに、戦友の元を尋ね歩く。
最初に尋ねた元搭乗員から、祖父のことを「海軍航空隊一の臆病者だった」と言われショックを受ける二人。しかし、その後も生き残った人たちに話を聞き続ける。
一緒に真珠湾攻撃に参加した搭乗員、ラバウルとガダルカナルで消耗戦を戦い、今、ガンで死の床に就いている老人、整備兵、元特攻隊員たち、飛行訓練生たち、祖父との空中戦を望み果たせなかったヤクザ。
一人一人の話を聞くうちに明らかになってくる祖父の素顔。そして思いも寄らなかった真実が明らかになる・・・。

ワタクシは飛行少年だったので、戦争と飛行機の話は一般の方々よりは詳しい訳です。解説の児玉さんと同様、坂井三郎さんの「大空のサムライ」は愛読いたしました。坂井さんの「生き残るための執念」は、本作品にも影響を与えていると思います。

あの戦争は何だったのだろうか。戦争の中を生きてきた人たちは何を考え、感じていたのか。戦争モノと云うことで敬遠しないで、是非読んでいただきたい。人が意志をもって生き、死ぬこと、そして運命というものを考えさせられます。

(講談社文庫 2009年7月5日発行 876円+税) アマゾンへのリンク
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