「女子高生=山本五十六リローデッド2」 志真 元2010年10月19日 05時39分

「架空戦記」モノっていうジャンルがある。
今までは、完全に避けて通ってたんだけど。
なぜかって言うと、「自分に都合の良い新兵器とか登場させて、アメリカをやっつけて喜ぶ小説」って思ってたからなんですが。
本書も、新兵器は登場するしアメリカをやっつけるし、という点はお約束通りなんですが、この小説のキモは、それらは全部ネットワークゲームの中の出来事、という設定になってることです。
つまり、登場人物は、小説の中の「現実世界」と「セカンドウォー・リアルというゲーム」の中を行ったり来たりする、という構造になっている。

ゲームキャラとしての戦史上の人物が登場すると同時に、小説の中の人物としてジョージ・ブッシュやチャック・イェーガーなどの実在の有名人が登場したりする(ちなみに、ゲーム中でも本人役)。また、ゲームキャラの中には、アニメや小説の登場人物が混じっていたりする。
さらには、「駆逐艦〔綾波〕も異常人気だった。理由はもはや知りたくもなかった。」などと、色々と楽しませてくれます。

ことほど左様に、キャラや構造は複雑なんですが、スラスラと読めるのは作者の力量でしょう。

この小説、スタートしたときは「女子高生=山本五十六」だったのが、3巻目から出版社が変わって、題名も「女子高生=山本五十六リローデッド」になった。どういう事情があったかは知りませんが。
(イカロス出版 2010年9月20日発行 952円+税) アマゾンへのリンク
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