「先生、シマリスがヘビの頭をかじっています!」 小林 朋道2010年10月13日 01時28分

鳥取環境大学の先生である。

人間動物行動学の授業と称して、学生を連れ歩いて野山を駆け、動植物を観察し、(衝動的に)実験を繰り広げる。
でもね、学問なんて、自分が興味を持って楽しくやんなきゃ成果が出るわけ無いんだから。小林先生の態度はマコトに正統派であると思うのである。
先生は語らないが、本当は教授会とか図書委員会とか入学試験当番とか、よく分からないシガラミの雑用があるに違いない、と思う。
でも先生は、自分の楽しいことしか書かない。伝えたいことしか書かない。当たり前、かもしれないがマコトに立派であると思う。
先生は、韓国まで行って野生のシマリスの前に麻酔を掛けたヘビを置いてみる。大学のヤギの柵の中に網に入れたヘビを置いてみる。ネズミの調査のために登った1500mの山の中でイモリに出会う。外来魚の食物調査実習と称してブラックバスを釣り上げ食する。
自然科学者がフィールドを忘れたら話にならない。野山を駆け回る小林先生は、やっぱり正当派だ。 そして、それぞれ知的に興味のある話を我々に語ってくれるのである。
何にせよ、自分の好きなことに打ち込める人は幸せである。 そして、好きなことに打ち込んでいる人の書く本は気持ちよいのである。
私も、この本を読んで少し幸せのお裾分けを貰った気がする。
このシリーズ、残りも全部買います!

(築地書館 2008年10月10日発行 1,600円+税) アマゾンへのリンク

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