「『はやぶさ』の奇跡」 的川 泰宣2010年10月11日 16時16分

「よくぞ帰ってきた」というのが正直な感想である。

姿勢制御のための3基のリアクションホイールの内2基が故障、姿勢制御用ロケット燃料も全て漏洩、地球との交信も途絶して帰還をを3年間遅らせる。3年後にはバッテリーが全て放電、4つのイオンエンジンが全て故障。
技術陣の智慧と工夫には本当に頭が下がる。
ちなみに、この画期的な高効率のイオンエンジンの推力は、2グラムだそうである。
地球と小惑星帯は3億キロ。電波でも片道16分かかる。スタッフは、往復30分のハンデを背負ってコントロールしなくてはならず、また、「はやぶさ」は、ある程度自分で状況を判断できる能力が求められる。

月以外の天体からの初のサンプルリターンとか、「はやぶさ」を応援する人たち88万人分の署名を小惑星「イトカワ」に置いてきたとか、そういうことも大事であろうが、とにかく、よくぞ帰ってきた。
技術は積み上げが大事である。この「はやぶさ」の偉業を、どう次に繋げるか。あくなきチャレンジこそ、我々の未来への投資である、と思う。

(PHP研究所 2010年10月5日発行 952円+税)
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